どうも。
7浪美大生youtuberのまいけるです。
今回はプロ美大受験生の私が
『アクリルガッシュを選ぶ理由』
をお伝えします。
まず最初にお伝えしておきますが、
7年間の受験生活ではアクリルガッシュのみを使っていた訳ではありません。
受験生時代はデザイン科に所属しており、ここで使う絵の具は不透明水彩絵の具でした。
不透明水彩絵の具は非常に種類が豊富で、
写真を載せてありますが、
実際に使っていた絵の具ボックスには
170〜200本程の絵の具チューブが入っていました。
私の場合はそのうち『アクリルガッシュ』が占める割合が9割以上で、
アクリルガッシュ以外で必要な色が10本前後絵の具ボックスに入っているという感じでした。
私の周りの受験生も同じような割合で、
アクリルガッシュ以外で所持している物も同じようなバリエーションでした。
ここでは、
不透明水彩絵の具の種類について少し、ご説明しておきたいと思います。
まず、大きな括りとして、
水で溶いて描く水彩絵の具、
油で溶いて描く油絵の具があります。
そしてその水彩絵の具の中に
透明水彩、不透明水彩があり、
受験で言う透明水彩は、
日本画科や工芸科が使用する淡い水に滲ませて使う様な絵の具、
不透明水彩はベタ塗りが綺麗に塗れる文字通り"不透明"な絵の具だと思ってください。
そしてアクリルガッシュは不透明水彩に分類される絵の具です。
アクリルを媒体とした、とても乾きやすく、ベタ塗りに対応し、
滲み表現も訓練すれば幅広く表現できますので、
短時間でクオリティの高い作品を生み出さなければならないデザイン科受験に最適な絵の具なのです。
アクリルガッシュ以外の絵の具も10本程準備していたという話をしましたが、
この10本に関しても、『アクリルを媒体とした不透明水彩』という事は共通していました。
透明水彩や油絵の具を忍ばせていたのではありません。
単純に色の差異でお気に入りの絵の具を少し混ぜていました。
アクリルガッシュに比べて、新出の『u-35』についてですが、
こちらはまた変わり種です。
アクリル水彩絵の具ではあるのですが、
不透明か透明かの判定は難しいのです。
それはなぜかと言うと、組み合わせる紙によるのです。
u-35は、紙やイラストボードに綺麗にベタ塗りするのが難しい絵の具です。
しかしキャンバスに対しては綺麗にベタ塗りも滲み表現もでき、
発色も他のアクリル絵の具に比べると群を抜いています。
これからはどんどんとu-35の色数も充実させて欲しいと個人的に願っています 笑
さて、
話を選ぶ理由に戻しますが、
選ぶ利点は大きく2つあります。
それが『色数の豊富さ』と『入手しやすさ』です。
ターナーアクリルガッシュの色数は
221色に暗黒ブラックが加わり222色あります。
絵の具ボックスの9割をアクリルガッシュが占める理由はその色数です。
普通色75色、パステルシリーズ15色、グレイッシュシリーズ6色、ジャパネスクカラー69色、
この辺りがデザイン科受験ではよく使われます。
作品作りでオススメなのが、パールシリーズ6色、メタリックシリーズ9色、カラーパールシリーズ18色、
ラメカラーシリーズ13色、ルミナスシリーズ(蛍光色)6色、
そして少し特殊なミキシングシリーズや暗黒ブラックなど、
受験での制作以外にも様々な作品に対応できる幅の広さが魅力です。
色数が豊富である事の利点として、
『混色の時間と手間が省ける事』が挙げられます。
受験美術では"時間の扱い方"はとてもシビアで、
合否を分かつとても重要な要素です。
ですが、
ただ時間を省けばいいというものでも無く、
『最短時間でオリジナルの色づくり』
というのがミソになってくるのです。
少し具体例を出すと、私の場合
グレーを作るときは、
パステルラベンダー(淡い青)と
パステルエナメル(淡い黄)を混色した
グレーをよく影色として使っていました。
アクリルガッシュには
ニュートラルグレー5
ニュートラルグレー7
ニュートラルグレー8
と3種類の既に完成したグレーがあるのですが、
この不自然感を感じさせない影の色を、
2色の混色のみで表現できるのがアクリルガッシュの強みです。※写真5参照
もうひとつ例として、
私はよく背景色としてプルシアンブルー(濃い青)を好んで使っていました。
シチュエーションにもよりますが、
濃いめの青色をチューブからそのまま使いたい時はプルシアンブルーと決めていました。
アクリルガッシュの青色は基本色75色の中だけでも15色ほどあり、
他の作品色被りが起きる可能性も軽減されます。
受験において他の作品との色被りは、
自分の主張が鈍くなってしまう可能性も孕んでいるので、豊富な色数はありがたいのです。
受験美術に限らずですが、混色せずに使える色がある事はとても作業効率が良いです。
混色でベタ塗りをする場合、絵皿で絵の具と水をしっかり混ぜて均一にしなければならなく、
それが2〜3色となると大きな時間のロスになってしまいます。
なので222色の中からお気に入りの色を知っておく事は、制作に置いて有利に働きます。
2つ目の利点、入手しやすさですが、先程の色数の話とも繋がってきます。
色数が豊富であるが故に何処の画材店にも70〜80色程度は揃っており、
大きなお店に行けば222色の全色揃えている事も特段珍しくはないです。
入試美術ではよく絵の具を消費するので、
多い時で月10〜15本程度、
入試直前になると足りない絵の具を一度ごっそり買い込むので、
何処の画材屋でも手軽に補充できる、
買い込み期でも品切れている事があまり無いというのはとても大きな利点になります。
ここまで、アクリルガッシュを使う利点についてお話ししてきましたが、
こちらの記事はターナーさんからご依頼頂いて実際に使った感想をまとめたものでありますが、
アクリルガッシュ以外を使わない事を推奨しているものではありません。
私自身いくつかお気に入りのアクリル絵の技を所持していましたし、
慣れてくるとフラットな絵の具だけで無く、
立体感を持たせる為の下地塗り絵の具やコアな物を揃えたくなる物ですので、
楽しくなってしまった人は是非進んで色々な製品を試し、そして感想をお聞かせ頂きたく思うのです。
ベーシックなセットを揃える為に
ターナーアクリルガッシュを扱っておく事は
得こそあれ損をする事はまずありませんので
是非、アクリルガッシュを最初のアクリル絵の具に選んでみてはいかがでしょうか。
ここまでお付き合い頂き
ありがとうございました。
では皆様
楽しいクリエイティブライフを。
まいける
第一回 なぜ、アクリルガッシュを選ぶのか
2022.12.7
コメント欄 ※メンバーになるとコメントを投稿できます!
まいける
2023/01/01 12:54
サトウさん、
これだけ無限に可能性があると、
人生の時間も限られていて、
その中で的確な表現をするには
効率がとても大切だということを
強く実感します、、、😭
ターナー色彩 サトウ
2022/12/12 23:15
限られた色から混色センスを磨くことも大事ですが、
多くの色の中から自分の表現にあった色を選ぶ配色センスもたしかに大事ですね。
作業効率がアップすれば頭の回転にもつながるでしょうし、
うーん…アクリルガッシュいっぱいラインアップしてくださり、改めてありがとうございます遠い先輩方(笑)
まいける
2022/12/12 11:21
うってぃさん、
いつもありがとうございます!
モデペ×u-35の組み合わせ、
楽しみですね!
是非投稿して見せて頂きたいです😌
まいける
2022/12/12 11:19
スズキさん
ありがとうございます!
今後ともよろしくお願いします😌
まいける
2022/12/12 11:18
Yuxu-Factoryさん、
ありがとうございます!画材の違いを知るのは
いくつになっても楽しいですよね😌
Yuyu-Factory
2022/12/08 18:45
分かりやすいです…学生時代に知りたかったです🤣
ターナー色彩スズキ
2022/12/08 17:31
めっちゃ参考になる。最高!!bro~
これからも楽しみだぜ。
うってぃ
2022/12/07 19:51
まいけるさんのお話し
わかりやすくて好きです!
お気に入り・ブックマーク機能欲しいなぁ。
今日、企画展に出す作品制作で
U-35モデリングペーストに
ゴールドライトと赤金を混ぜて
盛り上げてみましたー。
どうなるのか楽しみ待ちです✨